8月の末、比較記事の「実績」欄を直すための調べ物をしていて、思いがけないページを見つけました。
Vector に残っている、20年前の自分のソフトのページです。
- ソフト名: UwView 0.6
- 公開: 2006年5月1日
- 配布ファイル: uwview.lzh(892,152バイト)
- 動作OS: Windows 2000/NT/98/95
- 累計ダウンロード: 12,657(2026年8月29日に確認した時点。現在の公開ページには累計数の表示はありません)
先に書いておきます。この12,657という数字はいま開発・販売している現行版の実績ではなく、20年前の前身の実績です。そして、比較対象としてよく名前を挙げる klogg が10年以上継続して開発・配布され続けている実績は、この数字より上だと考えています。今日はその「実績でどちらが上か」の話ではなく、このページに残っていた2006年の言葉の話です。
2006年の掲載文を、そのまま読む
Vector の紹介文は、当時の自分がこう書いています。
5000万行まで表示可能な高速テキストビュワー
そしてソフト詳細説明には、こうあります(原文ママ)。
通常のテキストエディターは100万行程度までは見る事も・編集する事も出来ますが、1000万行程度になると、見る事も出来ない様なので専用のビュワーを作りました(最大5000万行まで実用的に表示できます)。
世の中を探しましたが、余りにも馬鹿らしいのか??同様のものは見つける事が出来ませんでした(1000万行以上のテキストファイルを見るような人が、殆どいないのでしょう)が、同じような悩みを持つ人がもしかしたらいるかも?と思い、公開します。
2006年の風景がそのまま残っています。配布形式は LZH。対応OSの筆頭は Windows 95。配布物は 892KB。そして「1000万行のテキストを見る人なんて、ほとんどいない」という時代認識。
20年後、同じ作者が測った数字
2026年のいま、後継の UwView Pro で実際に開いて計測した最大のファイルはこうでした(実測記事)。
| 2006年 UwView 0.6 | 2026年 UwView Pro | |
|---|---|---|
| 対象の目安 | 設計上限 5,000万行 | 実測 4,509,830,821行 |
| ファイル規模 | 「通常のエディタは100万行程度が限界」(当時の掲載文) | 258.68GB(単一XML) |
| 配布/提供 | uwview.lzh・892KB・フリーソフト | Windows/macOS/Linux・発売中 |
行数で比べると、5,000万行 → 45億行で約90倍です(この対比は行数基準です。ファイル容量の基準では別の倍率になるので、混ぜないように書いておきます)。
20年で、扱う対象が2桁増えました。しかし振り返ると、増えたのはファイルのほうで、「普通のエディタでは開けない」という構図そのものは20年間ほとんど動いていません。定番エディタやIDEが巨大ファイルのどこで音を上げるかは、別の記事で実測したとおりです。
「殆どいないのでしょう」は、外れた
2006年の自分は「1000万行以上のテキストを見る人は殆どいない」と書きました。これは、いま読むと外れています。
当時この行数を生んでいたのは RDB や XML のダンプでした。いまは違います。ログです。 アプリケーションログ、アクセスログ、そして開発中の printf デバッグ出力(10GBに達した話)。行数の主役が「たまに吐くダンプ」から「毎日増え続けるログ」に替わったことが、この20年の一番大きな変化だと思います。
もうひとつ、2006年には「同様のものは見つける事が出来ませんでした」と書いていますが、いまは違います。glogg の系譜を継ぐ klogg という優れた定番があり、機能でも実績でも学ぶことの多い相手です。「巨大テキストには専用ビューアが要る」という2006年の判断だけは、20年経っても変わりませんでした。
まとめ
- 2006年: 「5000万行まで表示可能」と書いた自作ビューアを LZH で公開した。累計12,657ダウンロード(前身の実績・2026年8月29日確認)
- 2026年: 後継の UwView Pro で 45億行・258.68GB を実測で開いた。行数で約90倍
- 増えたのはデータで、標準ツールの限界の位置はあまり動いていない。だから20年経っても専用ビューアを作り続けている
いま開発しているのは、その20年後の答えです。無料版 UwView と、有償版 UwView Pro(Windows・macOS・Linux、1ライセンスで全OS)。20年前の892KBのビューアの、まっすぐな子孫です。

