【2026-09-08 追記】この機能は UwView Pro v1.5.0 で正式リリースされました。 記事初出時は開発中の機能でした。スクリーンショットは初出時のビルドのため、細部が異なる場合があります。
前回は grep -v(含まない)でした。CLI機能の第2弾は grep -w —「単語一致」です。
部分一致の検索には、昔からの泣き所があります。error を探すと error_count も mirror の中の並びも拾ってしまう。CLIの世界では grep -w error と書いて、「単語として独立した error」だけに絞ります。この -w を、UwView Pro の多段階検索の各段に「単語一致」チェックとして載せました。
これで各段のチェックは Regex・大小無視・単語一致・含まない の4つ。同じ段で組み合わせて使えます。
実データでやってみる — 8.9億行から7件
OpenStreetMap日本の実データ(画面下部に総行数 892,239,125=8.9億行の表示が見えています)での実行画面です。

1段目は Tokyo の通常検索で 10,967件。ここに2段目として、「単語一致」をONにした Ariake(Regexとの併用)を重ねると——

7件。「Tokyo – Ariake Supercharger」「Tokyo Ariake University」「Category:Ariake, Tokyo」のように、Ariake が独立した単語として現れる行だけが残ります。CLIで動作が近いのは grep -C 1 Tokyo | grep -w Ariake です(前回同様、±1行の文脈つき絞り込みのため「含む」段に -C 1。厳密な等価ではありません——単語境界の定義もツールごとに細部が異なります)。
CLIパイプとの対応(近い動作の例・更新版)
| CLI | UwView Pro |
|---|---|
grep -C 1 Tokyo big.xml |
1段目に Tokyo(前後±1行つき) |
\| grep -w Ariake |
2段目 Ariake +「単語一致」チェック |
grep -v |
「含まない」チェック(前回の記事) |
grep -i |
「大小無視」チェック |
grep -E |
「Regex」チェック(単語一致との併用可・画像のとおり) |
> hits.txt |
「保存…」ボタン(行番号・ヘッダー・±N行オプション付き) |
※ この対応は厳密な等価ではなく「近い動作」の例示です。多段階検索は前後±N行の文脈ブロック単位、grepのパイプは行単位のストリーム処理で、境界条件の結果が異なることがあります。
パイプが返してくれないもの — 「履歴(絞り込みの経路)」
3段目に 有明 を足して4件まで絞ったところで、結果一覧の行を右クリックしてみます。

「履歴(絞り込みの経路)」 に、その行がどの語で・原本の何行目で拾われたかが段の順に並びます。上のタブが Tokyo (10,967) → Ariake (7) → 有明 (4) と件数付きで残っているので、どの条件でどれだけ減ったかも一目です。
grep のパイプでは、ここが3つとも落ちます。
grep -C 1 Tokyo big.xml \| grep -w Ariake \| grep 有明 |
UwView Pro の多段階検索 | |
|---|---|---|
| 段ごとの件数 | 残らない(最終結果しか出ない) | タブに 語(件数) が並ぶ |
| 原本の行番号 | 2段目以降は消える(grep -n が数えるのは流れてきたブロックの中の番号) |
320,574,475 のまま保持され、その行へジャンプできる |
| どの語で拾われたか | 分からない | 「履歴(絞り込みの経路)」に語と行番号が順に並ぶ |
| 条件のやり直し | パイプを書き直して原本を最初から読み直す | 戻りたい段のタブをクリックするだけ |
8.9億行のファイルで「3段目が厳しすぎたかも」と思ったとき、パイプなら書き直して全部流し直しです。タブなら2段目に戻って条件を替えるだけで、原本の再走査は起きません。絞り込みの経路がそのまま調査の記録になる、というのがこの機能の本題です。
UIも日英対応に
今回のスクリーンショットには英語UI版もあります(EN版の記事に掲載)。モードや各チェック・保存オプションまで英語表記になっており、海外ユーザーにもそのまま使ってもらえる形を目指しています。
正直に書いておくこと
- 「単語一致」は v1.5.0 で正式リリース済みです。 スクリーンショットは初出時(リリース前ビルド)の画面のため、細部が異なる場合があります。CLI関連機能は今後も続けて追加予定です
- 「単語」の境界(何を区切りとみなすか)の定義は、grepの
\bとツール実装とで細部が異なり得ます - 件数は当方の実行環境・このファイル・この検索語での値です
- スクリプト化・自動化はCLIの領分のままです。1回きりの単純検索も実測どおりgrepで十分です
使っている道具
UwView Pro は発売中です(Windows・macOS・Linux、1ライセンスで全OS。買い切り/月額。14日間の無料試用あり——編集機能も使えます)。多段階検索はProの機能です。

