前回のAI早見表はS〜Cの格付けでした。今回はそこから「検索」と「置換」の2工程だけを取り出し、実際の秒数を並べます。
最初にお断りを2つ。測定は Windows PC と Mac の2環境で行っており、環境をまたいだ秒数の比較はできないため、環境別に分けて掲載します。また、記事ごとに検索語・回数・置換方式が少しずつ異なるため(表の注記に明示)、同じ表の中の比較だけが有効です。比較する私はUwView側の開発者で、数字はすべて自社実測です。
サイズ表記についてもうひとつ。最大サイズの対象は同一ファイル(OpenStreetMap日本・約8.9億行)ですが、元記事によって50GB/51.25GB/47.73GiBと表記が揺れています。本記事では48GBに統一します(51.25GBは同じファイルの10進GB表記です)。
Windows編(Windows 11・メモリ16GB・内蔵SSD のノートPC)
置換 — 東京→Tokyo・大阪→Osaka の2回
| サイズ | EmEditor | UwView Pro+Edit Upgrade | 差 |
|---|---|---|---|
| 3GB・1億行 | 0.9秒 | 6.3秒 | EmEditorが7.0倍高速 |
| 10GB・1億行 | 28.6秒 | 12.41秒 | UVP+Editが約2.3倍高速 |
| 48GB・8.9億行 | 672.2秒(11分12秒)※ | 47.0秒 | UVP+Editが約14.3倍高速 |
※ EmEditorの48GB・2回目の置換は、最初の試行では13分を経過してもハング状態のまま完了しなかったため、PCを再起動して計り直した値(301.1秒)を使っています。
3GBの置換はEmEditorの圧勝です。ファイルがメモリに収まる限り、EmEditorの置換エンジンは速い。10GBで逆転し、48GB——メモリ16GBを超えた領域——で差は14.3倍に開きます。
検索 —「東京」の全文検索(48GB・8.9億行)
| 測定 | EmEditor | UwView Pro系 | 差 |
|---|---|---|---|
| 48GB・単発(閲覧検証時) | 160秒 | 12.5秒 | 約12.8倍 |
| 48GB・2回平均(編集検証時) | 194.7秒(245.3/144) | 23.9秒 | 約8倍 |
Windowsでの3GB・10GBの検索単体の実測は行っていません(–)。参考として、メモリに収まるサイズではEmEditorの検索も高速です。
Mac編(MacBook Air・Apple M4・メモリ32GB)
検索(GUI)— klogg との10ワード連続検索・3ストレージ
検索は実運用を模した10ワード(北海道〜大分)の連続検索の平均です(48GBのみ単発計測)。
| サイズ | klogg | UwView Pro | 3ストレージ合計の倍率 |
|---|---|---|---|
| 3GB | 約2秒(各ストレージ) | 0.40〜0.72秒 | 約3.9倍 |
| 10GB | 約2〜3秒 | 1.14〜2.41秒 | 約1.7倍 |
| 48GB | 17.5秒(内蔵SSD)〜585秒(USB HDD) | 5.1〜74.8秒 | 約7.7倍 |
メモリに収まる3〜10GBでは、kloggの検索も数秒で返り、実用上の差は小さめです。48GB——メモリ32GBを超えた領域——で、毎回ディスクを一周するkloggと、約1/9の圧縮キャッシュだけを読むUwView Proの差が7.7倍に開きます。
検索(CLI)— grep / ripgrep との48GBファイル単発検索
外付けUSBストレージ(実測0.41GB/s)のI/O律速環境で、同じ48GBファイル(元記事では10進表記の51.25GB)から「東京」を1回検索した値です。
| ツール | 初回 | 2回目以降 |
|---|---|---|
| grep | 64.64秒 | 毎回ほぼ同じ |
| ripgrep(rg) | 71.49秒 | 毎回ほぼ同じ |
| UwView Pro | 54.7秒(索引作成と同時) | 14秒 |
1回きりならgrepが十分速く、rgは単一巨大ファイルでは並列化が効かずgrepに負けます。差が出るのは2回目以降です。
検索・置換 — 010 Editor / UltraEdit との比較(「東京」検索・東京→Tokyo全置換)
| ファイル | 製品 | 検索 | 全置換 |
|---|---|---|---|
| 3.07GB | UltraEdit | 5.3秒 | 14.1秒 |
| UwView Pro+Edit Upgrade | 0.94秒 | 1.31秒 | |
| 10.19GB | 010 Editor | 11.5秒 | 16.5秒※ |
| UwView Pro+Edit Upgrade | 2.2秒 | 3.6秒 | |
| 48GB級 | 010 Editor | ― | 12分45.3秒(1回)※ |
| UltraEdit | 1分23秒※2 | 未計測 |
UltraEditは5GB超で警告が表示されるため、当初は3.07GBだけで測定していました(測定当時の対抗製品はUwEditor Pro表記=現在のUwView Pro+Edit Upgrade)。
※2 2026年9月14日 再計測: 48GB級の UltraEdit は オープン1分11秒・「東京」の検索1分23秒で完走します。閲覧と検索なら50GBまで実用的です。全置換と保存は未計測。全記録
※ 010 Editorは2026-09-08に再計測しました。10.19GBの置換は「大阪」→「Osaka」で16.5秒(バイト数が変わる「Tokyo」→「東京」は18.5秒)。48GB級はオープン56.7秒・「東京」→「Tokyo」の置換1回=12分45.3秒まで完走しましたが(遅いため2回目は実施せず)、保存は15分を超えても完了せず、最終ファイルは作れませんでした(私の環境での結果です)。
まとめ — 検索と置換だけ見ても、境界はメモリ
- 置換: メモリに収まる3GBではEmEditorが7.0倍速い。10GBで逆転、48GBで14.3倍差
- 検索: 全サイズでUwView Pro系が最速だが、3〜10GBはkloggもEmEditorも数秒〜十数秒で実用的。メモリを超えた瞬間に他ツールだけが数分の世界に入る
- 1回きりのCLI検索は例外で、grepが最もシンプルに速い(このI/O律速環境ではrgより速い)
正直に書いておくこと
- WindowsとMacの秒数は環境が違うため相互比較できません。表をまたいだ比較も、検索語・回数・置換方式が異なるため厳密ではありません
- Windowsの3GB・10GBの検索単体、Macの3GB・10GBのEmEditor値など、未測定の組み合わせがあります
- 各数値は特定のPC・ストレージ・ファイル・製品バージョンでの自社実測で、独立ベンチマークではありません。同条件で追試された方がいれば、結果に応じて本記事を修正します
使っている道具
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